第二段階の各能力の定義

第二段階のコミュニケーション能力とは

■ 第二段階(ネイティブ評価)にて評価されるコミュニケーション能力の定義

コミュニケーション能力の定義が第一段階の評価と違うことに注意する必要がある。第一段階ではコミュニケーション能力を英語をコミュニケーションツールとして使う能力と定義していたのに対し、ここでは英語圏の文化背景などを共有しながら、社会生活の一部として言語活動をなめらかに行うことができる能力と定義される。究極的には、「どのくらい自然な英語か」を評価するものと考えられる。

コミュニケーション能力を構成する個別の能力の表

No.1 正確性 Accuracy
(配点 3点)
正確性とは、文法、用法、発音、イントネーション等の言語的規則に誤りなく発話を構成する文章を組み立てる力を言う。なお、ここでの言語的規則とは、アメリカ英語、イギリス英語といったようなローカル性に左右されるものを意味しない。
No.2 流暢さ fluency
(配点 3点)
流暢さとは、よどみなく滑らかに話すことができる力を言う。具体的には、文章を停止させることなく継続させる能力である。これについては、文章内の単語同士のレベルと文章間のレベルにおけるポーズ(停止)の頻度と、発話スピードが一般に妥当と考えられる範囲に収まっているかどうかという基準の両方で評価する 。
No.3 文化背景知識 Cultural background knowledge
(配点 3点)
フィリピン人面接官による第一段階の評価においては、ノンネイティヴ話者としてのコミュニケーション能力のレベルを「伝える」ことができる限りにおいて最高であると評価することができた。すなわち、コミュニケーションの程度は「知っている・知らない」に関係ないという考え方で把握されていた。しかしながら、ネイティヴ試験官による第二段階の評価では、通常英語圏において一般的な文化の前提となっている知識は「知っている」ことが求められる。例えば、文脈の中で、「首都」という言葉を知らないからといって、「政治の中心都市」と言い換えることは減点の対象となりうるということである。