第一段階の各能力の定義

第一段階のコミュニケーション能力とは

SEACTテストにおける第一段階コミュニケーション能力の定義

コミュニケーション能力という形のない抽象的な能力を的確に捉えるには、その抽象的なものをできるだけ細分化することによって、私たち人間が個別具体的に把握できるようにすることが必要だと考えています。そこで、SEACTテストにおいては、第一段階のコミュニケーション能力を以下の9項目の個別の能力の総体だと定義してそれぞれの評価を統合することによって、あなたのコミュニケーション能力を測定することとしています。

コミュニケーション能力を構成する個別の能力の表

認識性
No.1 情報把握能力 Information acceptance ability
(配点 5点)
情報把握能力とは、複数の情報が散りばめられたある程度まとまった量の文章から、「音声情報」としてそれぞれの情報を的確に捉えることができる力を言う。この力は、他のあらゆる能力を発揮するうえで必ず必要となる基底能力と捉えることができる。
No.2 数値把握能力 Number handling ability
(配点 10点)
数値把握能力とは、情報把握能力と基本的には同じような能力であるが、その情報を「数値」に限定して評価されるものである。この部分をあえて抽出して評価する意図としては、日本語における、数値把握の仕組みが欧米のそれと違うことから日本人にとっては、ある程度桁の大きな数値の把握が、言語力の発達レベルとは無関係に困難性を有することが多いことから、この部分についての評価を特別に行う。
集約性
No.3 情報要約能力 Summarizing ability
(配点 10点)
情報要約能力とは、多数の情報の中からコアとなる情報を取り出し、それを論理的につながるように再構成して表現することができる力を言う。また、同時に全体の意味を短いタイトルで集約する力も含むものとする。すなわち、帰納法的構成能力と捉えることができる。
展開性
No.4 対象説明能力 Object describing ability
(配点 10点)
対象説明能力とは、具体的な事柄やイメージに凝縮された情報を、自ら分解し、あるいは言い換えを行うなどし、それらを論理的につながるように再構成して表現することができる力を言う。すなわち、演繹法的構成能力と捉えることができる。
No.5 概念説明能力 Concept explaining ability
(配点 10点)
概念説明能力とは、対象説明能力と基本的には同じような能力であるが、対象、すなわち、特定の事柄や図画などによって具体化されたものではなく、言語によって抽象化された「概念」を自ら分解し、論理的につながるように再構成して表現することができる力を言う。従って、これも、演繹法的構成能力と捉えることができる。
社会性
No.6 状況適応表現能力 Situationally appropriate expressing ability
(配点 10点)
状況適応表現能力とは、質問者の問いかけや発言にぴったり合った回答や感想などを表現することができる力を言う。すなわち、「状況的に正しい応答」という制約の中でどれだけ相手を「気遣う」表現ができるかの評価とする。このことは、物事の論理性とは違った、言語を通じていかに社会的な適応能力を発揮することができるかという能力ということができる。
一貫性
No.7 意見提示能力 opinion creating ability
(配点 5点)
意見提示能力とは、自らの考えをまとめて相手を説得できる力を言う。この能力の特性としては、自らの意思なり要求を言葉を通じて実現させる能力という点が挙げられ、単純に論理性を駆使して、その場をやり過ごす力とは一線を画す力である。従って、クレーマーやボスなどの意見に上手に対処することでクレーム対応能力に非常に優れているという評価が出たとしても、意見提示能力が今ひとつだという評価は十分に考えられる。
態度・姿勢
No.8 言語外表現能力 Non verbal ability
(配点 10点)
言語外表現能力とは、「表情」や「勢い」など、聞き手の理解なり納得なりに影響を与えるあらゆる要素を総合的に発揮する力をいう。言い換えれば、共感引き出し力といえるものである。従って、この能力については、画一的な評価基準を言葉で表現することは不可能だと考えている。そのため、面接官は、人間としての全感覚を利用して評価する。
Ⅱ包括的機能項目
No.9 複合運用能力 Compound performing ability
(配点 20点)
複合運用能力とは、クレームをはじめとする特定の問題の解決という目標達成のために、あらゆる言語的能力を適宜必要に応じて動員して対処する力を言う。従ってこの能力は、ここで挙げられるすべての個別的機能評価項目に分類される能力を適切に選択し、また必要に応じて組み合わせることで、目標達成を実現する能力と捉えることができる。